初めて携帯電話を契約したときからお世話になっていたauから、UQモバイルに乗り換えたことの記録。
乗り換えを考えたきっかけから乗り換えに至るまでの経緯だったり、その時々の自分自身の意思だったり、その上で調べたことや考えたことを余すことなく、言い換えればダラダラと書き連ねたもの。
もし同じような乗り換えを考えていた人がいて、この記事で参考になるところが少しでもあれば幸いです。ただ、あれこれ書き連ねている大半のことがノイズと思わる可能性もあります。予めご注意ください。
- きっかけ
- 端末費と通信費の確認
- まずプラン変更を検討した
- 大手キャリアへの警戒心
- 格安SIM業者の候補
- 格安SIMのデメリット
- MNPの決行
- UQモバイルに乗り換えてからの感想
- 最後に
- 追記 〜その数カ月後の大変動〜
きっかけ
コロナ禍で外出する機会が減ったなか、休日は自宅でヒマな時間を過ごすことが増えてきた。そういうところで固定費の見直しを始めた人は少なくないはず。
自分もその一人で、サブスクなどあれやこれやと契約していたのを整理していた。
そんな中、とくに気になっていたのがスマートフォンの通信費。外出が減ってデータ消費量も減ったにも関わらず、端末代を含めて毎月1万円以上の支払いを続けていた。どうしたものか。
端末費と通信費の確認
自分の契約していたキャリアはau。「フラットプラン20N」というプランでデータ容量は月20GBまで。これにテザリングオプション(500円)と消費税を加えて毎月7150円を支払っていた。
使用している端末はiPhone11Proの256GBモデル。2019年に提供されていた「アップグレードプログラムDX」で48回払いのリース契約をしていて、25ヶ月目に機種変更(というか交換)すれば、残り24ヶ月分の支払いが免除されるというものだった。
端末代は144,720円だった。それを48分割し、プログラム料の390円を加えた3405円を毎月支払っていた。ちなみに、プログラム料は交換後の25ヶ月以降は請求されない。
つまり25ヶ月目に機種変更すれば、以降24ヶ月分の端末代が免除される。その金額は7万円相当!
端末をレンタルする感覚に近いので、コンスタントに2年毎に機種変更をして、旧端末が手元になくても構わないという人にとってはこれほどメリットがあるものはない。
ただ、そのメリットを最大限享受するために、けっこう高額な端末を選んでしまったという反省がある。カメラは良いんだけど256GBは自分にとってオーバースペックだった。
毎月のプラン料と端末代金の合計は10,555円。12ヶ月目〜48ヶ月目の総額をまとめたのが下の表。
ただの掛け算だから当たり前だけど、改めて4年分とかの総額を見てビビった。
(※1) 2年契約+家族割適用で170円割引後 (※2) iPhone11Pro 256GB 144,720円 36ヶ月目以降の総額は、25ヶ月目以降もプログラムを適用しなかった場合のもの。
アップグレードプログラムによって端末代が大幅に抑えられているにせよ、7000円を超える通信料金が実感に伴わなかった。
まずプラン変更を検討した
あらためてキャリアに支払っている金額を確認し、まず手を付けたかったのは通信プランだった。
在宅勤務も増えたので、移動中にYouTubeをBGM代わりにしたり、図書館でテザリングしてPCを使うような機会も減った。以前は毎月20GBのデータ使用枠を使い切っていたのが最近は10〜13GB程度と持て余し気味だった。
データ使用量が減ったのは外出が減っただけでなく、YouTubeプレミアムに加入したことも大きい。加入のきっかけはあの不快な広告動画に辟易していたからだったが、プレミアムではオフライン視聴もできるので、ブックマーク感覚で保存するようになった。
そうしてデータ使用量が減り、今後もそれをキープできそうな見通しがでてきたので、上限が低いプランに変更しようと(昔、10GBのプランがあったな〜と思いつつ)auのホームページを確認してみた。
なかった。
自分がちょうどよいと思っていた10GBくらいのプランは存在しなかった。というか、自分が契約していたフラットプラン20Nもラインナップから消えていた。
いつのまにか、全く使わない人向けとガンガン使う人向けに二極化していた。
今そんなことになってたのか。
以下、各種プランについて価格の記述をするときには、auだとスマートバリューや応援割のような、家族構成やブロードバンド契約のような特定の条件や期間でのみ適用される割引は加味しない。
ただ、矛盾するかもしれないが2年割は適用しておく。
その理由は、6ヶ月継続できればいつ解約しても元は取れたことになるから。
(auの2年割は毎月170円が割引される代わりに、更新期間外の解除料が1000円かかる)
ひとまずauのホームページに掲載されていた各プランと料金(2年契約のみ適用)を一覧化したのが下表。すでに受付終了となっているが、比較のために自分が契約していたフラットプラン20Nも並べておいた。
現状(2020年11月)のauのプランで、いちばん低額なのが「ピタットプラン」というものだった。データ使用量に応じて段階的に料金が積み上がっていくらしい。その段階ごとの料金を並べていて目を疑った。
1GBまでは2980円、微妙。
1GBを超えると4480円、ん?
4GB超えると5980円、んん?(二度見)
そして上限は7GB、んんん?(三度見)
4GB超えた場合、これにテザリング(500円)と消費税を加えると7128円。自分の加入しているプラン(20GB)が税込で7150円なので、22円しか変わらない。
このプランに変えるのは得策じゃない、というか、あからさま過ぎやしないか。
4GB以上使うであろうユーザーはより高額でデータ上限なしのプランに誘導したいのだろう。だからと言って20GBも使い切らないのに、さらに高額なプランに変更するわけにはいかない。
auのプラン変更の道は八方塞がりとなってしまった。
大手キャリアへの警戒心
もともと大手キャリアに対して警戒心が強かった。
機種変更をするためいざショップに行くと、そこで対峙するのは1〜2年の間に新たに発生した様々な「おトク」なプランの説明。それぞれに対して「いる」「いらない」の判断をしなければならない。
結局ようわからんので、店員さんが現状キープでオススメの内容を印刷したものを見せてくれて、「コレデイイデスー」といって終了する。
いやここで終了ではなく、帰宅後、店員さんに「すぐ解除していいですよー」といわれて加入した謎の月額サービスをポチポチ解約してようやく終了。
(この謎のサービス追加については、最近は規制されてるかもしれない)
それはおいといて、さまざまなサービスに付随する「おトク」というフレーズが曲者だと思ってる。これは決してトータルコストが安くなるという意味で言っているのではなく、ひたすらコスパがイイよと言っている。もちろんキャリア運営は慈善事業ではないから、ユーザーにはもっとお金を使って欲しいと考えるのは当然のことだ。
売る側としては正しいことなので、店員さんは自信を持って説明する。
その一方、提供されるであろうサービスを余すことなく使いこなせる自信がない自分は、不要なサービスまで付けられやしまいかと、TELASAやこう見りゃあせんよと、益々ガードが固くなってしまう。
どこでボタンを掛け違えてしまったのだろう。
なんの話だ。
そんな具合なので、機種変更しようとショップに行くときはいつも戦々恐々だった。
そのくせアップグレードプログラムには加入しているので、このやり取りを2年ごと、あと数十回、死ぬまでやるのかと想像して気が遠くなった。定期的に機種変更したい自分にとってメリットがあるのは間違い無いが、これを2年毎に繰り返すのはきつい。
そんな思いがつのり、格安SIM探しの旅が始まった。
格安SIM業者の候補
格安SIM業者(MVNO (Mobile Virtual Network Operator)とも言う)、ざっと調べても国内に無数にある。はたしてこの中から最適なものを選ぶことができるだろうか?
などと恐る恐る足を踏み出した(ググった)のだが、ちょっとコンビニ行ってくるぐらいの感覚でわりとすぐに単独候補がみつかった。
候補となったのはUQモバイルだった。
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UQモバイルは正確には格安SIM業者ではなく、現在はauのサブブランドというものらしい。最近auと事業統合したんですってね。
回線はau網を使用しているため、今使っている端末のSIMロックを解除すればそのまま使えそうだった。(使えた)
通信品質については、評判をググってみるとあまり悪く言う人がいない。むしろ好意的な意見の方が多いほどだった。
プランは毎月3GBまでの「スマホプランS」と毎月10GBまでの「スマホプランR」の2通りだった。
自分には「R」がちょうど良さげだった。しかもこのプランだと10GB超過後も最大1Mbpsでの通信が継続できるとのことで、基本的人権が尊重された感がある。
さらに、節約モードというものがもあるらしく、そのモードだと最大1Mbpsの通信ができるにも関わらずギガが消費されないとのことだった。それはすごい。
スマホプラン│格安スマホ/SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】
ただし「最大」とある。最大などとと謳うのは「勉強させていただきます!」くらいの意思表示でしかないのが世の常。
ところが、この点についても評判をググったりYouTubeで調べてみると案外好意的なものが多かった。常時1Mbpsを期待している人はいないが、YouTubeくらいならこれでも十分そう。これならばイケそうな気がする。
ひとまずUQモバイルに乗り換えたとして、料金をシミュレーションしてみたのが下の表。
端末代金は、auのアップグレードプログラムではなく、同価格帯のSIMフリー端末を一括購入した場合のもの。
(※3) iPhone11Pro 256GBモデル 発売当初の金額(税込)
ただの掛け算だから当たり前だけど、4年分の通信プラン総額をauと比べると差額がヤバい。
ただ、端末代金の計算が雑過ぎた。アップグレードプログラムは抜けるにしても、機種変更は2年ごとにはしたい。1,2,3,4年後のそれぞれのタイミングで、手持ちの端末を中古屋さんに売却した場合を想定してみたい。
ここでiPhone等のApple製品でよく言われるのが、「リセールバリューが下がりにくい」ということ。発売から数年経ってもけっこう高額で買い取ってもらえる。
ざっと調べると、SIMフリー版iPhoneの買取価格は1年後で定価の半分、2年後にさらにその半分、という具合だった。
もちろん本体傷や画面割れなどあれば買取金額は下がってしまうので、端末は大事に扱う必要がある。当たり前か。
その点でいえばキャリアの下取りは審査が甘く、野良修理業者にバッテリー交換してもらったiPhoneや、裏面のガラスが欠けたiPhoneなんかも提示されていた金額で下取りしてくれた。これは大手キャリアのメリットの一つだった。
上記を加味して、12、24、36、48ヶ月のそれぞれの期間で端末を売却した場合の、実質的な総額をシミュレーションなおしたのが下の表。
月額に換算してauと比較すると、アップグレードプログラムの助けを借りずとも、24ヶ月で機種変更しても十分に元が取れていることがわかった。
やっぱりイケそうな気がしてきた。
格安SIMのデメリット
イケそうな気はしたものの、やろうとしていることは長年付き添ったキャリアとの決別。
不満だったのは不明瞭な料金体系だけで、通信品質については不満はなかった。
なので、この決断に不安がないわけではなかった。(“不”が多い)
格安SIMへ乗り換えることのデメリットはいくつかあり、特に自分が気にしていたのは下記の3点。
- 通信が不安定
- キャリアメールが使えなくなる
- 災害時の通信保証
以下、そのデメリットについて検討してみた。
通信が不安定
格安SIMに乗り換えることで通信が不安定となるような状況が増えることは覚悟しなければならない。
格安SIM業者は押し並べて自前の基地局を持たない。ドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリアに使用料を払って回線を借りているという立場。
特に朝昼晩の通信量が逼迫する時間帯などで、借り主のほうが通信容量を専有してしまうようなことは許さないだろうし、そういう場合は貸主の容量が優先されるような契約は交わしているはず(契約内容はもっと細かいだろうけど)。
実際、多くの格安SIMで通信が遅い、つながらないというユーザーの不満はググればいくらでもでてくる。
その点では、UQモバイルは通信の安定性に定評がある印象だった。
キャリアメールが使えなくなる
というかキャリアメール自体を全然使ってない。Lineが全盛の今ではキャリアメールを失うことはデメリットではないかもしれない。
とは言うものの、高校とか大学の友人とはキャリアのダサいメアド(ダサいのは自己責任)で繋がってることも多いので、MNPで乗り換えるときには「メアド変えました〜」の連絡は必要。
まあ電話番号さえ変わらなければSMSでも十分だし、FaceBookのような実名SNSもあるので、もはやキャリアのダサいメールアドレスに縛られる必要はないだろう。
数ヶ月ぶりにキャリアメールを開いてみると、auショップの宣伝メールと無数の詐欺メール(某ちゃんねる有料サービスの個人情報流出事件から早7年)で溢れかえっていた。
ここに躊躇の余地はなかった。
災害時の通信保証
これは、格安SIMに限ったことでもない。
このキャリアなら災害時にも強い!とかいうのも存在しない。
そして災害に限ったことでもなく、2018年に日本ではソフトバンク網で発生したロシアンルーレットかのような通信不具合の事例もあったりする。
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1812/10/news132.html
そのような状況に晒されたときにできることは、現状を受け入れオフラインに徹するか、それとも何か保険となる別の通信手段を用意しておくかの2択くらいだろう。
保険は、たとえばもう一つ別の格安SIMを契約してスマホ2台持ちにするということ。
このとき、メインとは別のキャリア回線を借用しているSIM業者でなければならない。もしauが不通になったとしても、それ以外のキャリアだと生きている可能性があるから。
その候補としてみつけたのはy.uモバイルという格安SIM業者だった。
ドコモ回線を利用していて、通信品質もある程度定評があること、データSIM(データ専用・月3GB)を月990円(税込)で契約できるということで、じつはすでに契約中だった。(なに散財しとん)
格安スマホ・SIM【y.u mobile(ワイユーモバイル)】
y.uモバイルのデータSIM最大の特徴は、使わなかったギガは最大100GB(34ヶ月分)までストックできるところ。課金によるデータチャージも可能で、1GBが330円(税込)、10GBなら2640円(税込)と格安なのも大手キャリアとはもちろん、UQモバイルとも比較にならない強みだった。
自分は中華製の格安SIMフリー端末にこれを挿して、モバイル通信をオフにしてwifi専用機にしている。たまにテザリングしたいときだけモバイル通信を開放するという具合。
思えば、SIMフリー端末だとこんな風に簡単に機種変更できるんだと知ったことも、今回の乗り換えを考えたきっかけの一つだった。
発散してしまったのでまとめると、災害時の通信保証としては、格安SIMは大手キャリアから回線を借用している立場上、不利となる可能性がある。ただし、キャリア単位での大規模な通信不具合が発生することもあり得る。そんなとき、予算を圧迫しない範囲で追加の格安SIMを契約しておくことで対策できるかもしれない。
MNPの決行
気持ちについて整理ができたので、いよいよauからUQモバイルへの乗り換えを決行する。
MNPの一般的な手順は、
の3ステップのようだった。
アップグレードプログラムの行方
しかし、このMNPのステップのなかには契約中のキャリアとの契約解除について明示されたものがなく、アップグレードプログラムはどうなるのだろう?と疑問に思っていた。
たとえば端末代の残金は一括請求されるのか、それとも分割されるのか。
はたまた端末が没収されるのか(それはないか)。
ちなみに、アップグレードプログラムそのものはauを解約後も継続することができるらしい。機種変更だけauショップなどで手続きができるということのようだった。
ただ、今回のモチベーションは今後機種変更するときにショップに行かずに済むようにすることも含まれているので、思い切って解除する。
auのHP内に「解約にあたっての重要事項説明書 」というものがあった。
https://www.au.com/content/dam/au-com/static/designs/extlib/pdf/mobile/information/mnpkaiyaku_setsumei.pdf
そのなかには
「アップグレードプログラムにより端末代金残額がお支払不要となる特典を受けている場合、解約によりその特典が無効となる場合があります。」
とあるのみで、結局どうなるのかが全然わからなかった。
アップグレードプログラムの行方は電話で聞いてみるしかなかった。
電話でMNP予約番号を取得しようとする
ひとまずauのホームページにアクセスして、MNP予約番号の取得方法について調べた。
方法はMy au、電話、店頭の3通りだった。
迷路のような構造の案内ページ(これを作らされている人の心が病まないか心配)を進んでいき、ようやく電話窓口の番号を見つけた。上記のアップグレードプログラムに関しての疑問があったので、それについても確認をしたかった。
電話をしたところ、30分ほど待つ必要がある旨の音声ガイダンスが聞こえたためただちに終話した。休日の真っ昼間だったのが良くなかったのだろう。
auショップに行った
電話だとつながらない可能性があるので(待った挙げ句店頭に行ってくださいといわれたら最悪)、こんどは意を決してショップに行くことにした。
今回訪れたのは某県庁近くにある某ショップ。タブレットプランの解約やApple Careの解約(解約ばっかり)で訪れたことがあり、過剰な引き止めやプラン勧誘をされることもなく、とても好印象だった。ここでキャリアの解約をすることになろうとは……。
店頭に行き、店員さんにアップグレードプログラムの解除とMNP予約番号の取得を伝える。15時ごろだったが、10分ほど待った程度で席に案内してもらえた。
アップグレードプログラムの解除
店頭ではアップグレードプログラム解除の手続きから始まった。
自分は現行機種に変更してから12ヶ月経っているので、のこり36ヶ月分が解除後の支払い対象となるとのことだった。その金額は108,540円だった。もちろんこの中にはプログラム料(370円/月)は含まれない。支払い方法については翌月に一括請求するか、あるいは分割での請求とするかも選択することができた。
MNP予約番号の取得
続いてMNP予約番号の手続きなのだが、これは電話での手続きだった。
解約にあたっての注意事項をいくつか確認された。一通り確認したあと、店員さんから窓口に電話をかけてもらい、受話器を自分に渡してもらった。
そこからの会話は、おそらくネットでも多くの方が紹介しているような内容だったと思う。
その電話では、最初は意思確認のフェーズということで、店頭でも聞かれてたような契約解除に関する注意事項について確認をされた。
続いて、もっと最適なプランがあるかもしれません、現行から500円〜1000円割引することができる方法があります、といった紹介もあった。こういった誘導は予習済みだったので、動揺することなくひたすら「大丈夫です」と伝えた。
それからMNP予約番号を伝える担当の方と入れ替わり、予約番号を電話口で伝えられた。
店員さんはササッとメモ用紙とペンを渡してくれたのだが、あとでSMSで予約番号が送信されていた。
こうしてMNP予約番号を無事入手することができた。
そして店員さんとの挨拶を交わし、店を後にした。
UQモバイルのショップに行く
SIMカード発行はオンラインでも可能だが、予約番号発行した日にMNPを済ませたかったので、今回は実店舗に行くことにした。
自分の端末はSIMロック解除済みなのだが、本当に解除されているのかを確認したことがなかったので、それも店頭で確認できたほうが対処しやすいと思っていた。
某県のショッピングモール内にあるUQスポット。こじんまりと、雑然とした雰囲気だった。
店内に入ろうとすると、店員さんと思しきハッピを着用したひとに「くじ引きしませんか〜?」といきなり聞かれ、思わず「MNPで伺ったのですが……」と答えてしまった。
何のくじ引きだったのか謎のまま、店内へ案内された。
希望のプランについて聞かれたので「スマホプランRです」と答えた。
続いて通話オプションについて聞かれたが「結構です」と答えた。
通話オプションを追加すると、データ容量が毎月2GB増えるというキャンペーン中だった。スマホプランRだと12GBとなる。ちょっと迷った。
ただし12ヶ月間の期間限定だった。店員さんとしてはつけてもらいたい雰囲気だったのだが、期間限定が引っかかり、断った。
スマホプラン│格安スマホ/SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】
プランについての確認が終わり、MNPの手続きを始める。 テキパキと手続きをすすめる店員さん。その作業中、珍妙な色合いのガチャピン・ムックの写真をじっと見つめる自分。
いくつかの口頭質問やタブレットへのサインを経た後、「最後の確認です」と言われた。 ここで「はい」というと、auとの契約は解除され、UQモバイルへの乗り換えが完了するとのことだった。
注意事項のかかれた用紙に一通り目を通し「はい」と答えた。店員さんはなにやら画面をポチーし、「完了しました」と言われた。
そしてUQモバイルのSIMカードを見せてもらう。端末を渡し、店員さんのほうでSIMカードの交換をしてもらう。SIMは認識されたようだった。
ここからが肝心、SIMを開通するためにAPN設定なるものをしなければならない。
所々パスワードの入力が必要なところは自分で対応し、それ以外のところは店員さんの方で設定を済ませてもらった。
iPhoneのwifiをオフにしてからブラウザやTwitterを開いたりして、データ通信ができることを確認した。
SIMの開通はうまく行ったようだった。
これで終わりではなかった。
App Storeから「UQポータル」というアプリをインストールするように言われた。これはデータ容量の残量を確認したり、節約モード・高速モードを切り替えることができるアプリのようだった。
このとき「my UQ mobile ID」を作成する必要があったのだが、文字数や文字の種類に制約があったため少し難儀した。なんとか設定が完了し無事ログインも完了した。
ここまでの所要時間は30分ほどだったと思う。こうして一通りの手続きと設定が完了し、最後に新規契約事務手数料として税込3300円を支払い、店員さんとの挨拶を交わして店を後にした。
これにて、UQモバイルへの乗り換えが完了した。
長年使い続けたキャリアから離脱したことによる、若干の喪失感を抱えつつ帰路に就いた。
(※一瞬だけ。UQはau傘下なのでauPay、auでんき等、継続できるサービスはけっこうある)
UQモバイルに乗り換えてからの感想
休日の夕方から夜間にかけての時間帯(17:00〜19:00)で、節約モードと高速モードそれぞれ切り替えたときの体感速度について確認してみた。
節約モードと高速モードの切り替えは「UQポータル」で行うことができる。また、データ残量についてもリアルタイムに確認することができる。
キャプチャは高速モードや節約モードを一通り試した後のもので、データ残量は9.38GBだった。もちろん消費された0.62GBは高速モード使用時のもので、節約モードの使用量はカウントされていない。
節約モードを試す
一番気になるのが節約モードの実力だった。
Twitterの画面をスクロールしていると、画像が表示されるまでに時間がかかっていることに気がついた。1枚あたり2,3秒ほどかかっている印象。いつものようにサラッサラッとスクロールしているとほとんど表示されないまま通り過ぎていった。
YouTubeやニコニコ動画では、動画が始まるまでのバッファ時間が長いように感じた。だが、いちど再生が始まれば動画が止まったりすることもなく安定していた。これは大きな収穫だった。
LINEの通話は節約モードでも全く問題なかった。とくに遅延もなさそうだった。
テザリングは節約モードでも使用できた。最大1Mbpsなのでお世辞にも早いとは言えないが、Google検索で情報収集する分には支障がなかった。
節約モードを一通り試してみた感想は、常にこれでOK!というものではない。だが、動画や音楽をストリーミング再生するような使い方であれば、節約モードでも全く問題がなさそうだった。
一通り試してからUQポータルでデータ残量を確認してみのたが、本当に残量が減っていなかった。
安定の高速モード
高速モードについては不満の余地はなく、auの時と遜色ない印象。足枷を外した本来の実力なのだから当たり前か。 レスポンスの速さが必要な、たとえばTwitterやGoogleマップ、Dマガジンのようなレスポンスが必要な媒体では高速モードにしておく必要があると感じた。
UQポータルの使い勝手
節約モードと高速モードを切り替えはUQポータルで行う必要があるが、手間としては最小限だと思う。状況に応じて柔軟にモードを切り替えるには必要十分な使い勝手だと感じた。
UQポータルのアイコンはなるべく開きやすいところに配置しておいて、「動画をみるときは節約モード、Twitterは高速モード」のように習慣付けができていれば、月10GBのデータ容量は十分にお釣りが来そう。
1週間つかってみた状況
UQモバイル契約後から1周間がたったので、状況を確認してみた。
先週の残りデータ容量が9.38GBだったのだが、1週間後も9.38GBで全く減っていなかった。
この1周間にモバイル通信で行ったことはYouTube、ニコニコ動画のストリーミング再生を合計4〜5時間ほどと、SNSやGoogleマップ閲覧を合計2時間ほど使っていたと思う。それらをすべて節約モードで行っていた。
UQポータル(アプリ)から、WebサービスのMy UQ mobileにログインすることができるのだが、そこでは節約モードを含めたデータの使用量を確認することができる。
当月のデータ通信量は3.14GBだった。高速モードでの使用量が0.62GBなので、残りが節約モードでの使用量ということになる。動画のストリーミング再生が大半だが、これはかなりの節約なのではないか。
今月は節約モードをメインにして、9GBほど来月に繰り越そうと思う。そうすれば、来月は19GBからのスタートとなる。
UQポータルによれば、容量消費は「繰越分>当月分>追加データ」の順番で消費されるとのこと。
つまり繰越分から消費される。来月の消費が9GBだったとしたら再来月は20GBからスタートできるはず。
そこで、今後の運用方法として「繰越分は高速モードをメインに使い倒して、10GBを切ったら節約モードをメインにする」ことにした。
UQポータル(アプリ)には残量お知らせ通知機能があるので、ひとまず10000MB(10GB)を設定しておいた。
節約モードがあると、心理的にはなるべく節約モードに徹しようとするのだが、それはきっとUQモバイルの思う壺だろう(サブブランドにも警戒心が強い)。それに、遅いレスポンスのままTwitterやGoogleMapを使うことはけっこうストレスの種になったりする。
節約モードで我慢しておいて、繰り越されたデータ容量を使わないまま消滅させてしまってもしょうがない。ここは割り切って、使えるものは使っていきたい。
1週間使ってみた状況その2
UQモバイル契約後から変化したことが1つあった。それはYouTubeプレミアムのオフライン視聴モードを使用しなくなったこと。
オフライン視聴モードには重大な欠点があるのだが、保存した動画の削除が面倒くさい。動画一つずつ選択しては、”削除”を実行しないといけない。保存はポイポイできるのに。
それが解決できたのは、結局はYouTubeでは節約モードを積極的に利用するようになったから。
一つ一つ動画を保存しては見終わった動画をせっせと削除する手間と、UQポータルアプリで高速モードと節約モードを切り替える手間とを比べれば、どちらが楽かは歴然。上がったばかりの動画も、データ容量を気にせずすぐ見ることができるようになった。
オフライン視聴が不要になったということはストレージも圧迫しなくなるので、今後の機種変更では128GB容量でも問題なくなるかもしれない。(すでに足りてはいる)
最後に
ここまでがauからUQモバイルに乗り換えたことの顛末。 UQモバイルに乗り換えての感想は、あらかじめ下調べしていた情報を裏切ることはなく、期待した通りの実力だった。節約モードを使えばデータ容量を消費せずにYoutubeが視聴できることがわかったのは大きな収穫だった。
auからUQモバイルに乗り換えたことで通信費は格段に抑えることができたが、同時にアップグレードプログラムも解約したので、今後はSIMフリー端末を自分で調達する必要がある。
その代わり、店頭での機種変更手続きは一切不要になった。2年毎にショップ通いを死ぬまで繰り返す必要もなくなった。
今回のきっかけはコロナ影響でヒマが増えたことだったが、その根底にあったのは、大手キャリアが提供する過剰なサービスと過剰な料金に対する不満だった。
ただ、この状況はあくまで一時的なものかもしれない。もしかしたら大手キャリアもユーザーの幅広い需要にマッチしたプランを提供するときが来るかもしれない。(可能性は限りなく低い)
あるいは、本当に5Gが主流になって「大手キャリアは5G、サブブランド・MVNOは4G」のような分断が生じるかもしれない。
それが何年後かはわからないし、その時はその時。SIMフリー端末で運用していく決意をしたので、今後はその時にいいと思った業者に乗り換えていけばいい。当面はUQモバイルを使い倒していきたい。
かなりの長文になりました。ここまで読んでくださった方(存在するのだろうか……)ありがとうございました。
追記 〜その数カ月後の大変動〜
自分がUQモバイルに乗り換えたのは2020年の11月。その翌日、目を疑うようなニュースが世間を騒がせた。
あのNTTドコモが月間20GB、月額2980円(税別)の新プラン「ahamo」を発表したのだった。
それに続くように(?)auはAmazonとコラボした新プランを発表。5Gデータ使い放題、Amazon Prime付きで月額3760円を謳ったもの。 ところが、2年契約や家族割、auスマートバリューのような割引や、契約後6〜12ヶ月の期間限定の割引を除外すると月額9350円になることがわかり大炎上。「#さよならau」というハッシュタグがsnsに溢れたんだそうな。
個人的には、月額3760円から9350円へ積み上がっていく過程を「罰金」と表現するYouTuberがおられ、とても共感できたのだった。
しかし、この炎上のおかげで「大手キャリア=わかりにくい料金体系」のイメージは完全に定着したとおもう。そして無事に(?)au、ソフトバンクもドコモのahamoに続いて同様の新プランを発表した。
自分がUQモバイルに変えた途端、大手キャリアは急に低料金側にシフトチェンジを始めた。
最初は「タイミング悪かったかな〜auのままでも良かったかな〜」と思ったのだが、大手キャリアが提供する新プランは「オンライン専用、残データの繰越は不可」という制約がある。長期契約者への優遇サービス(ポイント進呈など)もなくなるため、実質UQモバイルのようなサブブランドに乗り換えることと大差ない。
一方、UQモバイルはこの変動のなかで「くりこしプラン」というものを発表した。
この中であれば「くりこしプランM」を選択すると、月額2728円で15GBまで使えるようになる。自分が契約しているスマホプランR(10GB、3278円)よりも安い。
そして、UQモバイルには「残データを繰越できる、節約モードを使えばデータ消費せず動画視聴できる」という強みがある。
自分にとってはまだUQモバイルであるほうがメリットがあり、ソッコーでくりこしプランMに変更することにした。
なんだか急に大手キャリア×サブブランド×MVNOの競争が始まってしまった。サブブランドに変えて自分は静観しようとしていたのに。
とはいうものの、大手キャリアから抜けたことには変わりないので、しばらく静観を決め込むつもりである(つまり、なにもしない)。
以上です。